物理学系の大学院は何をやるか
大学生の主な進路には大学院もありますよね。
学部生で主に物理学を学び、もっとこの分野を学びたいと思ったら、もちろん物理学系の大学院へと進めます。
こちらでは何をするのでしょうか?
たとえば以前に話題になった素粒子の研究など、物理学の分野の高度な研究テーマです。
大学院でも主要な研究テーマの1つになっています。
素粒子とは物質を構成する最小単位のものです。
あまりに小さいため観測も難しいのですが、宇宙からこの素粒子は常に降り注いでいると考えられており、これを観測し、分析するという試みは、物理学の大学院で行われています。
新しい素材を開発するといった研究テーマもあります。
これが大学院の物理学と関係するのは、先ほどと同じく、肉眼ではとても見えない、非常に小さいレベルの物質の構造を調べたり、特定の物質の性質を利用したりするためです。
なにかの物質は、小さいレベルの物質の積み重ねでできているわけですから、その小さい単位の物質の性質などがわかれば、特定の性質を持つ物質を作れる可能性が出てきます。
このような研究テーマもあるのですね。
このほかにもたくさんの研究テーマがありますが、大学院で研究するのは、まだ世界のどこでもわかっていない、最新の物理学の研究になるのが基本です。
教科書にはもちろん載っていませんし、世界中のどの研究者に聞いても、確かな答えは聞けません。
それを研究するのが研究者の仕事で、大学院とはその研究の世界の入り口となります。
研究テーマによっては、世界的に有名な物理学者と共同研究する場合もありえます。
物理学に興味がある大学生にとっては、大変魅力的な研究になるでしょう。
しかし大学院も大学生のころと同じように、どこかの大学院に所属し、指導教員のもと、研究を続けていくことになります。
このような形になるのは、大学生のころと共通ですね。
具体的に何を研究できるかは、各大学院の専門や、教授陣の専門による部分も大きくなります。
ですから、大学院で何をやりたいという専門が決まっていれば、それを専門とする教授がいる大学院を探すのが基本です。
教授にその専門がいなくても、助教授や院生の先輩にそれを専門としている人がいれば、同じくその大学院で研究できることが多いです。
大学生のころよりも詳細な研究テーマで所属先を決めるのが基本となりますから、正式な応募前に各大学院やそちらの教授まで、よく相談してください。
また、大学院生になると、大学生のように授業に出席して講義を受けることはほぼなくなり、基本的には自主的な研究活動が主となります。
自ら研究したい物理学のテーマがある人に、大学院は向いています。